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2014. 日本の移動指標を用いたモデル人口移動性向構築の試み.

人口移動は,出生・死亡と比べ明確な定義が難しく,調査の仕方により多くの指標があるため国 際比較が難しい.一方,日本における人口移動の指標は,悉皆調査である国勢調査,住民基本台帳 人口移動報告に付け加え,国立社会保障・人口問題研究所が行っている標本調査である人口移動調 査より得ることができ,人口移動調査の個票を用いると,国際的に用いられている人口移動指標の すべての値を算出することが可能である.本稿では世界各国のセンサスや標本調査から,人口移動 に関するデータを収集し,合計92カ国,12種類の移動指標からなるデータベースを構築した.各国 の異なった指標を比較するために,それぞれの指標の該当する日本の値に対する比を求め,その加 重平均をその国の「移動性向指標」とし,92カ国の移動性向を比較した.その結果,移動性向はオー ストラリア,スイス,韓国,北欧諸国の順で高く,経済水準と強い正の相関,若年人口割合と弱い 負の相関があり,中国,ロシア,ヴェトナムといった旧共産主義国,社会主義国では経済水準に比 して移動性向が低い,といった結果が得られた.この移動性向指標の算出は,ある一国または地域 の人口にはあるレベルの移動性向があり,それに応じて移動各指標は一様に上下する,という仮定 に基づいており,日本の12種類の移動指標群をモデル人口移動性向としたものである.日本のデー タを使って,地域別に移動各指標が同様に変化するかどうかを検証したところ, 1年・ 5年・10年 といった期間別移動率には強い一定の関係があり,生涯移動率,行政区分による移動率はそれより も弱い関係があることが認められた.
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